メンヘラ神の話

 なぜか最近メンヘラ神が再燃していて質問箱でお題をいただいたので書くことにした。よく考えて見れば事情聴取で話していた気になっていてツイートしていなかったのかもしれないし、そんなの聞き飽きたよという人もいるかもしれない。昔ブログを書いたような気もしてきた。各自で読む読まないを決めてくれればいいと思う。

 初めてメンヘラ神を知ったのはツイッターで”メンヘラ”とパブサした時だった。私はもちろん病んでいたので、メンヘラなのにこんなに楽しそうに生きてる人がいるんだ!と驚いた。実際は全く楽しくなかったのかもしれないが、メンヘラ神の言う”面白おかしく”書かれているので楽しそうに見えたのだ。メンヘラ神とその彼氏、メンかれをリア垢からフォローした。私はリア垢でもかなり病んでぶっ飛んでいたのでメンかれからフォロバをもらい、何回かリプライを交わすうちに私もちゃんとしたメンヘラアカウントが欲しいと思い、メンヘラアカウント”ぞんびちゃん”を作った。それが終わりの始まり。

 新しいメンヘラアカウントで相互が出来てコミュニティが出来てグループラインを作ってわいわいやっていた頃だと思う。メンかれにオフ会に誘われた。メンヘラ神の写真を見せてもらったけど可愛くなかった。よく覚えていないけれど本当に可愛くなかったしメンかれもそれは言っていた。私はよくメンヘラ神が〜ってツイートしてたけど本当!?みたいなことをよく聞いたのだが大抵「わからない」と言っていた。後々、虚言癖らしかったことを聞かされる。半同棲しているのにそんなにわからないことだらけなんだというのが感想だった。あとは特に大した話はしていない。メンかれは結構人見知りだったので無口だった。

 次の日、メンヘラ神が別れましたとツイートしていた。まああの様子じゃ続かなそうだし仲良く別れたみたいだからよかったなと思った。フォロワーを絞った鍵垢でメンかれはほとほとメンヘラ神に疲れている様子だった(「誕生日に海ほたるに連れて行ったら虚しいって泣かれた」等)。

 その三日程後、例のラインがツイッターに載せられて驚いていた時にメンかれから通話が来て号泣していた。ただ、別れて悲しいと言っていた。私はそれより「あんなこと言って自殺しない!?ツイート死にそうだよ!?」としつこく聞いたが、「どうせいつもの死ぬ死ぬ詐欺でしょ」とその件に関しては落ち着いていた。私はその言葉がトラウマである。

 翌日か翌々日、死亡説が流れ出した。メンヘラ神が本名を載せていたので新聞のお悔やみ欄に載ったのだ。私は怖くてメンかれに聞くことが出来なかった。そんな時ちょうどメンかれからラインがきて「明日の水族館どうする?」と聞かれた。

 

(書いていて精神がしんどい…)

 

 怖すぎたので率直に「メンヘラ神無事なの?」と聞いたら「あんまり広めて欲しくないけど死んだよ」のような返事が返って来た。私はもちろん水族館をキャンセルした。そしてすごく落ち込んだ。いくら病んでいたとはいえ、知り合いの知り合いでツイートを見て環境や境遇などを知っている人が死ぬのは初めてだった。あんな人気者の彼女が死んで自分が生きている意味がわからなかった、私が代わりに死ねばよかったと思った。それくらい多感な歳だった。

 私は死ねば人々の記憶に、大切な人の記憶に残れると思っていた。それなのにメンかれは死後10日で心変わりをした。私は何もかもわからなくなったし怖かった。ODを繰り返し閉鎖病棟にぶち込まれ大事な単位を落とし親に療養を強制され退学した。だから私が人生を後悔する時、学歴を後悔するとメンかれを憎み、メンヘラ神を憎み、自分を憎む。メンヘラなんて検索に引っかかりやすい名前を使わないでいてくれたらよかった。本当にそれだけで私の人生は救われたかもしれない。他罰的で私的な恨みである。

 メンヘラ神はお金持ちで高学歴で、でも太っててブスで、何もかも正反対だったからただ境界性人格障害なこととリスカ痕を隠すのが大変なこと、それくらいしか共通点がなかった。後はメンかれ越しに聞いたことでしか彼女を知らない。人気なことだけは羨ましかったけど、憧れたことはない。メンかれが拘留された時に警官に証言として無理やり「同じ病気を抱える者として、彼の言ったことは許されないと思います」みたいなことを書かされたけれど、そんなことも思ってない。境界性人格障害の加害性やパートナーに与えるストレスも知っているからどうしようもなかったことだと思う。ただ、たまたま8階に住んでいて薬が大量にあって衝動性が起こって打ち所が悪かったから死んでしまった、そう思う。愛されたいからと男に貢ぎ、DVされ、結局確かな愛を実感しないまま死んでしまった哀れな女子大生だ。

 メンヘラ神のツイートはメンヘラに悪影響が大きかったのと、私は下品な下ネタが嫌いなので好きではなかったが、メンヘラティスカイやブログでの惹きつけられるような文章は魅力的だった。親がお金持ちなら優雅にメンヘラエッセイ二ストにでもなればよかったのにと思う。ちなみにメンかれは社会人になり結婚して、きっと幸せだろう。去年まで親交があったが彼が後悔や悲しんでいるところを一度も見たことがないので、人に弱みを見せたくない性なのだろうか。そう信じたい。そして自分に言いたい。付き合う人を選べ。